そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『年下寮母に甘えていいですよ?』の2巻について


年下寮母に甘えていいですよ? 2 (2) (ガガガ文庫)
著者:今慈ムジナ
レーベル:ガガガ文庫
発売日: 2018年4月23日
出版社: 株式会社小学館
ASIN: ISBN978-4-09-451728-6

あらすじ
自立したい系男子vs甘やかされたい系女子。

不思議な学生寮「日和寮」に住むことになった天涯孤独の高校生・四ノ宮優斗。紆余曲折を経て、どう見ても年下にしか見えない自称「おかーさん」の九段下あるてを中心とした個性的な面々にも、ようやく慣れ始めてきた。しかし、そうは言っても、現代社会で暮らす高校生男子が年下の女の子に「あっ、やばっ、溶けるぅ……ママのお膝で甘えちゃうぅ……ママ枕で溶けちゃうぅ!!!!」なんて明日地球が滅ぶとしても言えるわけがない。「でも、最近ガードが緩くない?」というツッコミを受けつつも、優斗は鋼の意志で自分を律し続けていた。
そんな中、甘やかされたがりな自堕落系女子・一之瀬弥栄が、なかなか自分を甘やかさない優斗に業を煮やし、ある作戦を企てるのだが……。ついには喧嘩へと発展してしまい、「母の日」を巡って勝負をすることに!? あるてが一番喜ぶ贈り物をしたほうが勝ち――といっても、あるてがもらって一番嬉しい物ってなんなんだろう?

まず押さえておきたいのが、この作品、タイトルで「年下寮母」と書いてあるけども、ヒロインのあるては年下ではなく妖怪の類であるロリババア要素のある子です。
それと作者の作風として、ライトなタイトルにみせかけてじつはテーマ性の伴った重厚な作品です。
文章や設定はかなり上手いけども、このへんを押さえた上で読まないと看板違いな気分になる。
二ヶ月前くらいに1巻の感想を書いた時に大人げなくタイトルに騙されたといろいろ言ってしまったんですけども。作品の完成度は高いんですよ。

1巻は自立したいと考える思春期の葛藤を描いていました。今回は、人との距離感みたいなものがテーマのようですね。

主人公はあることがきっかけで日和寮に住む一ノ瀬弥栄とケンカし、母の日のプレゼントで勝負することになる。

だんだんとあるての物語全体の役割が見えてきましたよ。彼女はいろんな問題に対して主人公たちを見守る存在で、あくまでメインとなるのは主人公の成長なんですね。

それと、幼馴染の役割も意外と重要でさ。主人公の葛藤が彼女と会話することで読者にわかりやすく伝わるようになっている。しかも、それが彼女の主人公の理解者としてのキャラクター性に繋がっていますね。

1巻めがリアリティのある話と見せかけて、ホラーな急展開を起こしたのでおもわず身構えてしまったのですが、今回は全体を通して人間関係の話で通せていたので、読後感がよかったです。読み終わった後で、ついぼうっとしちゃうような。きれいな花火の前だと静かになっちゃうようないい読後感で終われました。

3巻が出たら追って報告いたします。