そう、それが言いたかった

2010年にpixivではじめての処女作、『who are the hero』を投稿する。who are the heroを完結後は小説家になろうに移動。現在、思春期の少年、少女がゾンビたちが蹂躙する日本で戦う『エデンプロジェクト』と、はてなブログでネット小説書籍化本の批評ブログ、『そう、それがいいたかった』を更新中。

『デーモンルーラー 定時に帰りたい男のやりすぎレベリング』について

今回、紹介する作品はこちら、カクヨムで連載、2017年8月10日に発売、作者、一江左かさねさんの『デーモンルーラー 定時に帰りたい男のやりすぎレベリング』です。

デーモンルーラー 定時に帰りたい男のやりすぎレベリング (カドカワBOOKS)

あらすじ(amazonからの引用)
わびしい生活を送る独身公務員の五条(35)のもとへ、突如可憐な従魔“神楽”がスマホから現れた。共に魔物を狩れば、引き換えに結構な額の報奨金が手に入るというのだ!最初は恐る恐るだった五条だが、おっさん特有の無駄知識と手段を選ばぬ行動力が炸裂し、瞬く間に最強プレイヤーに!いじらしい使い魔と同棲し、美少女JKに頼られ、一流企業の社長に認められ―といいこと尽しの副業“魔物狩り”。今日も仕事帰りの五条のやりたい放題は止まらない!!!

目次

まるでペルソナ、悪魔を使役して戦う

読んでてビックリしたのが。要所要所にあるペルソナ感ですね。

主人公はさ、ある日、スマホのアプリゲームをダウンロードした結果、悪魔が呼び出してしまう。悪魔である彼女によると。この世界には悪魔の溜まり場となる異界が存在していてさ。

その異界に入って、悪魔を倒すとさ。DPがもらえ、そのDPは悪魔のスキル、装備の購入だけでなく、現実のお金に換金することができる。

それを知った主人公は金属バットやら米やらさ、手段を選ばずに悪魔を狩っていった結果、周囲から尊敬されるようになるって話です。

タイトルの通りですね。

このスマホから悪魔ってさ。ペルソナシリーズでもありましたよね。もちろん、デジタルの世界にモンスターを閉じ込めるって発想がさ。たまごっちからデジモン、ポケモン、女神転生って発展してったんだけどさ。読んでるとこのペルソナっぽさはわりと無視できないと思うんですよ。

ペルソナも4のイメージなんですけどね。様々な悩みを抱える若者たちがさ。社会の問題に対して自分の心の中の鬱屈とかをさ戦う力に変えて向き合うみたいな話だと思うんですよ。
でさ、これの不思議なとこがさ。そんなペルソナの世界でさ。中年男性が悪魔を使わずにそれ以外のルールの抜け道をついた戦い方、いわゆるチートを使って戦ってることなんですよね。

中年男性が主人公

この作品の主人公、名前は五条。35歳の公務員で独身。デーモンルーラーに出会う前は上司に頭を下げながら無気力に生きる中年男性でした。

毎日同じ時間に起きて同じ道を歩き、仕事をして夜遅く帰る。週末は疲れきって惰眠を貪るか、時には仕事だ。極端に言えば、生活はアパートと職場だけあれば事足りてしまうだろう。  恋人どころか友人さえいない。夢とか希望といったものは遠い昔に忘れ去り思い出せやしない。  ──なんて空っぽな人生だろうか

ある日、デーモンルーラーをインストールして。この世界に悪魔がいて。その悪魔を倒した時に得られるDPを売れば金になることを知った彼は、様々な方法で悪魔を倒すようになる。

設定だけみると悪役。実際、彼も世界を救いたいと考えているわけでない。面白いところが、そんな彼の内面とは裏腹に、様々な登場人物が彼を尊敬して慕うようになっていくとこですよね。

そうしていくうちに、彼は青春時代に手に入れなかった経験をしていき。次第に、彼の戦う理由ってのが自分に向いていた理由から、自分の仲間、周囲と広がっていく。

1巻だけだと、相棒の悪魔を娘のように大事にしはじめ、慕う人々を仲間として意識していくってるとこで終わっててさ。彼の人間関係が変わり、戦うモチベーションが変わっていってるのがわかります。

自分の手で勝ちとる勝利

主人公の成長もありながらさ。本作では、誰かにやらせるでなく。自分はどうするかってのをテーマに書いてることがわかります。
主人公はさ。悪魔を倒す時に、塩を使ったり、米を投げたり。通販で買えないようなものでとある危険なアイテムをつくって戦う、いわゆるルールに抜け道を探るチートものです。
しかし、彼がやっていることに一貫してあるルールがさ。自分がやるべきことは自分でやるってことでさ。これを同じデーモンルーラーをやる若者たちに教えることにさ。意味があるんですよ。

なんでかといえばさ。僕らは、任天堂や教育者たちからさ。人を使うヤツが優秀なんだという洗脳を受けてるからなんだよ。

任天堂といえばさ。有名なのがポケモンだよ。あれさ、何が悪いってさ。旅をしながら少年たちがやることがさ。世界中の優秀な人材を集めてチームをつくって、指示を出すってゲームやん。その任天堂がつくった育成RPGをきっかけにしてさ。ゲームの視点人物が自分で、その自分が強くなるっていうドラクエからさ。自分とゲームの中の彼は違ってさ。そんな彼を強くしてやるって視点がさ。幼い子供にできたと思うんだよ。

そこでやっぱゲームは害悪だと言いだす教育機関ども! 俺はクラス委員のこと忘れてねぇかんな!

じゃあ、学校と呼ばれてる場所ではさ。なにやってるかと言えばさ。あそこは集団の中から、一人の優秀な人間を密閉された空間の中でつくりだし、そいつが有象無双を引き連れて、俺たちが寝ている間になんか気持ちのいいことしてくれるはずだっていうさ。あまりにも大人にとって都合のいい見通しの甘い計画をやろうしてるやつがいんだよ。

そんなことないっていうでしょ。それならさ、なんでクラス委員とかあるんだって話やないですか。クラス委員ってさ、なにかっていやさ。クラスのリーダーを決めるってヤツでさ。手を上げろって言ってさ。誰も手を上げないやん。んで、教育者たちは文句言うやないですか。

あの時間なんなんだよってさ。俺はいつも思うんですよ。あれ、決まったら決まったでさ。クラス委員は雑用係なわけでさ。その見返りに内心や生徒の責任感がどうとかになるやん。あれが集団の中からリーダーを育てようっていうリーダー教育じゃなかったら、なんのためにやってんだよ。

俺はこれが嫌で腹が立ったので、謎の生命体で人々が化け物に変わっでバトルロワイアルをやるっていうさ、寄生獣みたいなのを書いた時に、ラスボスを黒幕の思い通りに動く、元は学級委員だったヤツにしたんだよ。

touch.pixiv.net


元を正せば時代劇もそうなんだけどさ。最近じゃ、まどか☆マギカが最たる例じゃん。
あれさ、ほむらが一人で抱え込んでるから先送りにした問題が肥大化してさ。絶望するしかなくなるんだけどさ。
結局、それを救済するのがまどか一人の尊い犠牲とやらでさ。
そんなの間違ってるって言って、ほむらがまたバカやったやん。
あんたら、一人で抱え込まないでと言いながらなんでそんな解決法しかせんの。それじゃいつまでも問題が解決せんじゃねぇか!

もう〜、ホントさ〜。日本人は根っから大好きなんですよね。カリスマとかリーダーとかがさ。そろそろさ、僕が世界を救うんだとか。僕は世界なんてどうでもいいんだとかさ。狭い一人称でどうしようもない二択考えてないで、僕らのために僕はどうするかを考えようぜ。

てのが、デーモンルーラーがやろうとしてることなんじゃないかな。
この作品はさ。なぜかデーモンルーラーのアプリで悪魔を操れるようになったヤツらがさ。主人公以外だと若者ばかりでさ。主人公は浮いた存在なわけなんだよ。そんな大人と若者の二つの世代の差がさ。

使役する若者たちと自分で戦う大人なんですよね。でさ、そんな大人が一人だけレベルが高くてさ。なんでなんだと、彼のもとに集まる若者が自分で戦うことを学んでさ。大人の主人公は一人で戦うんでなく、みんなで戦うことを選ぶようになっている。

一人一人が誰かを使うことを考えずに自分で戦い、かつチームとして強力しあう。それが今の日本に必要なんだ!

一巻読んでるとさ。たぶんこうなっていくんじゃないかなと予想してます。

では、2巻も追って報告します。気になった方はよかったら下のアマゾンのアフィリエイトリンクか。あるいは書店で買ってみてください。

デーモンルーラー 定時に帰りたい男のやりすぎレベリング (カドカワBOOKS)

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